産業廃棄物処理委託契約
委託契約の態様は様々です。印紙税の仕組みも複雑です。疑問点や詳細につきましては、税務署等にお問い合わせするなど個別の対応、ご確認をお願いします。
よくある質問
- Q.1 なぜ、書面で契約書を作成しないといけませんか。
- A.1 契約は口頭(口約束)でも成立しますが、 廃棄物処理法では書面による委託契約の締結を義務づけており違反すると委託基準違反となり3年以下の懲役か300万円以下の罰金となります。
- Q.2 産業廃棄物処理委託契約書に必要な記載事項は何ですか?
- A.2
収集運搬を委託する場合の記載事項
– 産業廃棄物の種類(20種類)
– 産業廃棄物の数量
– 委託契約の有効期間
– 委託者が受託者に支払う料金
– 受託者の事業の範囲(許可業者の場合)
– 産業廃棄物の性状
– 産業廃棄物の荷姿
– 産業廃棄物の性状の変化に関する事項(通常保管状況下での腐敗、揮発等)
– 他の産業廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項
– 日本産業規格C0950号に規定する含有マークが付された廃製品の場合には、含有マークに関する事項
– 石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等又は特定産業廃棄物が含まれる場合には、その旨
– その他産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
– 委託契約の有効期間中に当該産業廃棄物に係る性状等の情報に変更があった場合の当該情報の伝達方法に関する事項
– 受託業務終了時の委託者への報告に関する事項
– 契約解除の場合の処理されない産業廃棄物の取扱に関する事項
– 運搬の最終目的地の所在地
– 他人の産業廃棄物の運搬を業として行うことができる者で、委託する産業廃棄物が事業の範囲に含まれている者であることを証する書面(許可証、認定書、指定証、再生事業者登録証明書などの写し)の添付
積替保管をする場合– 積替又は保管を行う場所の所在地
– 積替又は保管できる産業廃棄物の種類
– 積替のための保管上限
– 積替又は保管をする場所において安定型産業廃棄物と他の廃棄物と混合することの許否等に関する事項
- 処分を委託する場合の記載事項
– 産業廃棄物の種類(20種類)産業廃棄物の数量
– 委託契約の有効期間
– 委託者が受託者に支払う料金
– 受託者の事業の範囲(許可業者の場合)
– 産業廃棄物の性状
– 産業廃棄物の荷姿
– 産業廃棄物の性状の変化に関する事項(通常保管状況下での腐敗、揮発等)
– 他の産業廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項
– 日本産業規格C0950号に規定する含有マークが付された廃製品の場合には、含有マークに関する事項
– 石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等又は特定産業廃棄物が含まれる場合には、その旨
– その他産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
– 委託契約の有効期間中に当該産業廃棄物に係る性状等の情報に変更があった場合の当該情報の伝達方法に関する事項
– 受託業務終了時の委託者への報告に関する事項
– 契約解除の場合の処理されない産業廃棄物の取扱に関する事項
– 処分又は再生の場所の所在地
– 処分又は再生の方法
– 処分又は再生の処理能力
– 許可を受けて輸入された産業廃棄物であるときは、その旨
– 最終処分の場所の所在地
– 最終処分の方法
– 最終処分の処理能力
– 他人の産業廃棄物の処分を業として行うことができる者で、委託する産業廃棄物が事業の範囲に含まれている者であることを証する書面(許可証、認定書、指定証、再生事業者登録証明書などの写し)の添付
- 収集運搬及び処分を委託する場合の記載事項(同一業者に委託する場合に限ります)
– 産業廃棄物の種類(20種類)
– 産業廃棄物の数量
– 委託契約の有効期間
– 委託者が受託者に支払う料金
– 受託者の事業の範囲(許可業者の場合)
– 産業廃棄物の性状
– 産業廃棄物の荷姿
– 産業廃棄物の性状の変化に関する事項(通常保管状況下での腐敗、揮発等)
– 他の産業廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項
– 日本産業規格C0950号に規定する含有マークが付された廃製品の場合には、含有マークに関する事項
– 石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等又は特定産業廃棄物が含まれる場合には、その旨
– その他産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
– 委託契約の有効期間中に当該産業廃棄物に係る性状等の情報に変更があった場合の当該情報の伝達方法に関する事項
– 受託業務終了時の委託者への報告に関する事項
– 契約解除の場合の処理されない産業廃棄物の取扱に関する事項
– 他人の産業廃棄物の運搬及び、処分を業として行うことができる者で、委託する産業廃棄物が事業の範囲に含まれている者であることを証する書面(許可証、認定書、指定証、再生事業者登録証明書などの写し)の添付
- 収集運搬に関する項目
– 運搬の最終目的地の所在地
- 積替保管をする場合
– 積替又は保管を行う場所の所在地
– 積替又は保管できる産業廃棄物の種類
– 積替又は保管のための保管上限
– 積替又は保管をする場所において安定型産業廃棄物と他の廃棄物と混合することの許否等に関する事項
- 処分に関する項目処分又は再生の場所の所在地
– 処分又は再生の方法
– 処分又は再生の処理能力
– 許可を受けて輸入された産業廃棄物であるときは、その旨
– 最終処分の場所の所在地
– 最終処分の方法
– 最終処分の処理能力
- Q.3 基本契約と個別契約について教えてください。
- A.3 個々の取引についてその都度作成される契約書が個別契約書で、「建設廃棄物処理委託契約書」、(一般社団法人東京建設業協会)がそうです。このケースは工事現場・工場・支店等で排出するたびに廃棄物処理法に規定されている記載事項を全部記載した契約書になります。 これに対して契約当事者間において何回も同じような取引が反復継続する場合に、取引に共通する取引条件をあらかじめ定めておき、個々の取引については、個々の契約書を作成することを省略化あるいは簡略化しようとする趣旨の下に作成され る契約書が基本契約書で、「産業廃棄物処理委託標準契約書」(公益社団法人全国産業資源循環連合会作成)は基本契約書としても使用できるようにしています。このケースは工事現場・工場・支店等で排出するたびに必要な記載事項は個々の取引によって変わりますが、個別契約のケースよりも、基本契約では記載事項を簡略化できます。なお、取引ごとの契約書には排出場所、排出事業者名(支店・工場・工事現場等)、数量、契約単価等の内容を整備しておく必要があると想定されます。
(印紙税実用便覧:国税庁消費税課:基本契約書・個別契約書)
- Q.4 「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」(環境庁告示13号)とは、何ですか?簡単に教えてください。
- A.4 産業廃棄物が有害であるか否かを判定するために行う検定です。その検定の方法は「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」昭和48年2月17日付けの環境庁告示13号に書いてあります。昭和48年3月1日から適用され、全国各地の公的検査機関や環境計量士のいる環境計量証明事業所で行っています。この検定は有害物質が入っていないと判断される産業廃棄物については、検査を行う必要はありません。
- Q.5 積替保管施設の保管上限欄には何を書けばよいのですか?また、上限値の算出方法を教えてください。
- A.5 記載すべき保管の上限とは、処分施設の処理能力のようなもので、積み替え保管施設の保管能力のことです。要するにその積み替え保管施設で、安全かつ適正に保管できる数量のことです。法律で定められた算出方法は、「平均的な搬出量」の7日分です。「平均的な搬出量」とは、処理業者の場合は毎月末までに帳簿に記載する保管場所ごとのその前月中の搬出量のことで、排出事業者の場合は前月の産業廃棄物の総搬出量を前月の総日数で割った数のことです。なお、複数の種類の産業廃棄物を取り扱う保管の場所では、複数の種類の総搬出量の合計量が産業廃棄物の総排出量となります。ただし、保管については、不適正処理につながる過大な保管を防止するために、保管数量の制限だけでなく、産業廃棄物の積み上げ高さの制限もあります。(平成10年5月7日:衛環37号:厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知:第7廃棄物の保管基準に関する事項より)
- Q.6 排出事業者が提供する「適正処理のために必要な情報」とは、具体的に何を書けばよいのですか?
- A.6 排出事業者で把握した情報を適正処理の推進のために提示していただくのですが、「廃棄物データシート」(環境省の「廃棄物情報の提供に関するガイドライン」(平成25年6月)を参照)の項目を参考に書面の作成を行ってください。
- Q.7 印紙税はどのような文書に課税されるのですか?また、印紙税の課税される契約書とはどのような文書をいうのですか。
- A.7 印紙税の課税対象となる文書は、印紙税法別表第1の「課税物件表」の「課税物件欄」に揚げられた第1号から第20号までの文書に限られます。 したがって、課税物件欄に揚げられていない文書については、たとえ当事者にとってどんなに重要な内容の文書であっても課税対象にはなりません。 印紙税法における「契約書」とは、契約書、協定書、念書、承諾書、覚書等はもちろん、申込書、注文書、依頼書等と証する文書であっても、契約の成立等を証明するために作成するものは契約書に含まれます。
- Q.8 収集運搬の契約書は1号の4文書(運搬に関する契約書)に該当しますか。
- A.8 運送とは委託により物品又は人を所定の場所に運ぶことをいい、運送契約とは当事者の一方(運送人)が、物品又は旅客の場所的移動を約し、相手(依頼人)が、これに報酬(運送賃)を支払うことを約することをいいます。産業廃棄物の収集運搬契約は、事業者が排出した産業廃棄物を処分場まで報酬を得て運送することを約するものですから、第1号の4文書に該当します。
- Q.9 処分の契約書は第2号文書(請負に関する契約書)に該当しますか。
- A.9 請負とは当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約する契約することをいい、ここでいう仕事とは労務の提供によって発生させる結果であり、例えば家屋の建築、機械の製作等のような有形的な結果を目的とするだけでなく、機械の保守、建物の清掃、論文の作成等のような無形的な結果を目的とするものも含みます。
(印紙税実用便覧:国税庁消費税課:請負)
- Q.10 「課税物件表の適用に関する通則」は何を規定しているのでしょうか。
- A.10 1社で収集運搬と処分を受託し、その契約事項が一通の契約書に記載されているものは、第1号の4文書と第2号文書とに該当し、いずれか1つの号の文書に所属を決定する必要があります。また、この場合の記載金額についても判定する必要が あります。この通則は、号別の所属の決定や記載金額の判定などに関する事項が規定されております。産業廃棄物処理委託契約書(収集運搬および処分に関するもの)を例に、通則の適用関係を簡単に説明します。収集運搬と処分の委託手数料がそれぞれ区分できない場合は、第1号文書に該当し、委託手数の全体が記載金額となります。収集運搬と処分の委託手数料がそれぞれ区分できる場合は、次によります。
(1) 収集運搬の委託手数料が処分の委託手数料より高い場合又は同額の場合(収集運搬の委託手数料≧処分の委託手数料)は、第1号の4文書に該当し、収集運搬の委託手数料が記載金額となります。
(2) 処分の委託手数料が収集運搬の委託手数料より高い場合(収集運搬の委託手数料<処分の委託手数料)は、第2号文書に該当し、処分の委託手数料が記載金額となります。 (印紙税実用便覧:国税庁消費税課:課税物件表の適用に関する通則)
- Q.11 印紙税法上の「契約金額」とは何ですか。
- A.11 印紙税法上「契約金額」とは、その課税文書において契約の成立等に関し、直接証明の目的となっている金額をいいます。したがって、産業廃棄物処理委託契約書においては、委託者が受託者に支払う収集運搬の委託手数料や処分の委託手数料として、その契約書に記載された総額が契約金額になります。また委託手数料の総額の記載のほか、1月当たり、1トン当たり、1台当たり、運搬1回当たり又は処分1回当たり料金(単価)と収集運搬又は処分する数量が記載されている場合は、単価に数量等を乗じて計算した金額が契約金額となります。なお、委託手数料の総額や単価および数量等の記載がないもの( たとえば「料金の支払いは別途定めるところによる」と記載されているもの)は、契約金額の記載がないものとなり、Q3で説明した個別契約書は記載金額のない第1号の4文書又は第2号文書となり、印紙税額は200円となります。 (印紙税実用便覧:国税庁消費税課:契約金額)
- Q.12 (1)国立・県立・市町村立の医療機関、研究機関、教育機関 (2)農業協同組合等の団体が運営する病院、診療所 (3)医療法人第39条に規定する医療法人 (4)個人運営の病院、診療所から排出される感染性産業廃棄物処理を処理業者に委託する場合の契約書に印紙の貼付が必要でしょうか。
- A.12 (1) の場合は、国等が保存するものは処理業者が作成したものとみなされ課税となり、処理業者が保存するものは国等が作成したものとみなされ非課税となります。
(1) 以外は双方で保管する契約書とも課税されます。
- Q.13 委託標準契約書の契約期間の記載内容に「期間満了の1ヶ月前までに、甲、乙の一方から相手方に対する書面による解約の申し入がない限り、同一条件で更新されたものとし、その後も同様とする。」という契約の自動更新についての取り決めがされているが、契約期間を自動更新した場合でも印紙の貼付(追加)が必要でしょうか。
- A.13 新しい契約書を作成したり、その文書に追記等をしない限り、印紙税はかかりません。(印紙税法 第2条及び第3条)
- Q.14 委託する廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれている場合、契約書にはどのように記載すればいいですか。
- A.14 「適正処理に必要な情報の提供」に、石綿含有産業廃棄物が含まれている旨の記載を追加します。